« | »

絵とことばのスケッチ

「せんせい、あのね……うんとね……」。子どもたちは話したがります。そこには聞いてほしいという思いがあふれています。そんな思いをしっかり受けとめる、そこから、ゆたかな表現をひきだすことにつなげていきたい。そうかんがえながら、わたしたちは「絵とことばのスケッチ」にとりくんでいます。

じょうずにかかなくては……という思いが子どもの表現の意欲をしぼませてしまいます。子どもの絵を見るおとなのまなざしは、評価のためでなく、共感のためにそそがれなければなりません。表現は、共感をもって受けとめてくれる相手があることで、うながされていきます。描くことに抵抗がある子には、描画材で自由に試したり、あそんだりしながら、子どもたち自身の内面からの表現をひきだしていくようにします。

絵を前にして子どもたちのはなしを聞いていくと、子どもたちの内面の世界の豊かな広がりが実感できます。子どもの手がつくりだした線や形の向こうに、その子の思いが見えてきたりします。その子の生活の一端、いま興味を持っていること、その子ならではの発見などが見えてきたりします。

自分の思いが自由に表現できたときに、心がひらかれて表情が生き生きとしてくる――子どものそんな変化をみると、表現が、ひとりひとりの子どもの心の成長や自立にもつながっているのだと気づかされます。

「絵とことばのスケッチ」のとりくみをとおして、子どもたちの内面に、ゆたかなイメージの世界がふくらむように、ことばの世界がゆたかに広がるように、さらに、表現しあうことで友だちとの交流も深めていけるようにとねがっています。